捨てることで得る

LIGHT WORKS WEB Magazine コラム:断捨離

年末の大掃除シーズン、例年の大掃除もいいけれど何か新しいパワー(?)のようなものを得たいなと・・・笑、掃除ついでに今持っているものを整理して捨てる、いわゆる「断捨離」とか「ミニマリズム」といった言葉を意識しつつはじめてみるのもよさそうだと思い立ちました。

ひとときブームになった「断捨離」。「断捨離」は単純にモノを捨てる整理術ではなく、自分の生活を見直したり、ストレスを軽減したり、人間関係を修復したりと、モノを捨てることで得られる効果を含めたライフスタイル全体のことを指すようです。
今は要らないものを捨てて、必要最小限のモノだけを持った暮らしをする人=「ミニマリスト」とか「ミニマニリズム」という考え方を推奨している人が増えているようです。「断捨離」と「ミニマリズム」、言い方は違えど内容はとてもよく似ているように思えます。今回はこのあたりのいわゆる“生き方の哲学”的なものに触れながら、考えてみました。

 

キャパシティを超えて存在するモノ

この記事を書くにあたってはミニマリストの佐々木典士さんの著書『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』(ワニブックス)を読みました。「ミニマリズム」は米アップル社の創設者のひとりとして有名な故スティーブ・ジョブズ氏が実践していたことで大いに注目されました。ジョブズ氏は「禅」の思想や哲学に傾倒していたそうなので、言葉として逆輸入されたような形のようです。

ミニマリストとは何たるか、はとても長くなりそう(本が出るぐらいなので)なので割愛するとして、人とモノの関係性についてスポットを当ててみます。

LIGHT WORKS WEB Magazine コラム:断捨離

 

情報やモノに溢れる現代、本によると人の脳は5万年前から何ら進化していないのに対して、今の日本を生きる人が一日に受け取る情報量は、江戸時代に生きた人の一年分とも一生分とも言われているそうです。

またモノを所有する、ということはそのモノに割く時間が増えるということになります。クレジットカードが1枚増えるごとに、引き落とし口座を開設したり、期限を更新したりと“やらなければいけないこと”が増えます。カードが1枚増えるだけ、ではなくそのモノにまつわる全ての作業を請け負うことになるのですね。

日々ありすぎる膨大なモノや情報を目の前にして、自分を見失い、いわば思考停止となってモノや情報に逆に振り回されたり。ふと気づくととても疲れていて、もう何もしたくない、とプチ引きこもりの状況に陥ったり。
心当たりはありませんか?そんな時は脳が処理できる、キャパシティを超えているのかもしれません。

 

モノから透けて見えること

ここで今一度、自分の所有しているモノを見つめ直すことをしてみましょう、というのがミニマリズムとか断捨離の考え方です。自分にとって必要かそうでないか、でモノをより分けていけていきます。

ただ最初からその判断ができるわけではないので、とりあえず一年着なかった服は捨てる、一年クローゼットの中で埃をかぶっているモノは捨てる、まずはそこからはじめてみます。
この作業の中で、虚栄心(恰好つけるため)で買ったモノを自覚して処分できるようになると、さらに自分が透けて見えるようになるかもしれません。

誰と何を比べていたのか?じっくり考えてみてください。モノを所有するということは、最初は純粋に必要だから。そのうち自分を武装するため、人に認めてもらいたいため、さまざまな欲望に繋がっていきます。
もちろん人はひとりで生きていけないので、他人にどういった形であれ認められること、必要とされることを求めています。なので欲望を持つこと自体はまったく普通のことです。ただそれが過ぎるとやはり綻びがきてしまう。疲弊してしまうのだと思いませんか。

一見矛盾しているようですが「捨てることで得る」こと、それをこの年の瀬にじっくり考え、少しずつ実践していければと思っています。

 

この記事の著者

著者:石見幸子プロフィール画像

Sachiko(さちこ)

フリーランスのWEBディレクター/ライター
美容、コスメ、ファッション、健康食品など女性向けサイトの制作や運営に多数たずさわる。興味を持ったことは何でもトライして、浅く広く楽しむタイプ。好きなものはお酒、食べること全般、旅、音楽、アート、読書、映画、ゲーム、ジム通い。