【ドリーンブログ】いつも不安で落ち着かない人へ

LIGHT WORKS WEB Magazine:ドリーン・バーチュー ブログ(トラウマ)

常に不安感を抱いていたり、気分が落ち込んだり、疲労が抜けなかったり、食欲がコントロールできなかったり、身体に何らかの症状が出たりする人は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症しているのかもしれません。
PTSDと聞くと、過去の戦闘場面の悪夢に悩まされている帰還兵のことを想像しがちですが、トラウマになる出来事は、63万6320通りもあるそうです。

私の著書『ドラマ・デトックス』で述べているように、私たちの多くが、知らず知らずにPTSDの症状に苦しんでいます。幸いにも、PTSDは自然で健全な治療法があります。

 

私たちの祖先は、生き残るために脳の機能を役立ててきました。危険や異常事態を感知する能力を発達させてきたのです。ですから、私たちは何か変わったことが起こっていないか、いつも周囲に注意を払っているのです。私たちには自己防衛のメカニズムがそなわっていて、状況に応じて逃げるか戦うかを選択してきました。

これは「闘争・逃走反応」と呼ばれています。トラウマになるような経験をして、闘争・逃走反応を強いられた人は、細胞及び化学物質レベルで、脳と身体にこの記憶が残っています。

同様に、トラウマになる経験の最中に、あまりに圧倒されてしまうと、ヘッドライトに照らされた鹿のようになることがあります。つまり、自分でどうすることもできず身動きが取れない状態になるのです。このように、圧倒されるような危険に迫られて身体が凍り付いてしまう反応も古代から存在します。

トラウマの後には、身体の緊急システムのスイッチが常に作動しているような状態になりがちです。ですから、すべてに対し緊急事態のように過剰に反応してしまいます。何でもないことにパニックを起こしてしまうのです。

 

ここでトラウマに対する4つの反応を挙げましょう。

1: 闘争する……トラウマに反撃して抵抗する。ナルシシズムに陥ることもある。

2: 逃走する……トラウマから逃げる。強迫性障害を起こす可能性もある。

3: 凍り付く……オポッサムが死んだふりをして、危険を避けるのと同じ反応。自らの感覚を鈍らせ、痛みを感じないようにすることもある。解離性障害になることもある。

4: 媚びへつらう……虐待してきた親など、トラウマ的な経験の原因となる人物に従ったり、機嫌を取ろうとする。これは相手との共依存につながる恐れがある。

『Complex PTSD』の著者である心理療法士のピート・ウォーカーは、闘争・逃走・凍り付き反応という3つの見解に、「媚びへつらう」という反応を加えました。
虐待を受けた人は、虐待者に媚びへつらうことで、安全を確保し自分の必要なものを手に入れようとするのです。

LIGHT WORKS WEB Magazine:ドリーン・バーチュー ブログ(トラウマ)

トラウマという言葉の定義は、人によって異なるでしょう。あなたにとって耐えがたいことが、他人にとってはそれほどではないかもしれません。

多くの専門家によれば、トラウマの定義とは、命の危険にさらされたり、自分の無力感を感じたり、恐怖でいっぱいになるような経験だとしています。
あなたの人生に突然訪れて、混乱をもたらすものはすべてトラウマになる可能性があるでしょう。それは、死の恐怖を感じさせ、安全を感じられないような経験です。

トラウマになるような経験の例を以下に挙げましょう。

愛する人(ペットも含む)の突然の死 /自分や両親、愛する人の離婚 /身体的、精神的な虐待、育児放棄 /大病 /命の危険にさらされる出来事 /引っ越し /事故 /難産 /経済的困窮 /いじめ、ひどいからかいの言葉 /友達との絶交 /失業 /暴動、公序を乱す行動 /虐待的な関係 /神を信じられなくなる・信仰の喪失 /手術 /中絶 /法的な問題 /収監 /戦争や兵役 /家を失う /犯罪の被害者になる /自然災害(地震、ハリケーン、洪水など) /暴力を振るわれる、あるいは暴力を目撃する(テレビのニュースで見る場合も含む) /あなたの安全を脅かし、予測を裏切るものすべて

トラウマの経験が多ければ多いほど、危険を事前に察知しようとして用心深くなっていきます。人の脳には、異常事態を感知するために古代から存在している部分がありますが、そこに常にスイッチが入った状態になってしまいます。

こうなると人は常に不安で神経過敏になり、次のトラウマに備えるようになります。危険なことが今にも迫っていると思い込み、仕事や勉強など日常的なことに集中するのが難しくなります。

いつも不安な状態でいると、神経系や免疫系システムが蝕まれ、幸福感を感じられなくなってきます。最悪を予期することで、無意識にそれを引き寄せたり、自ら生み出すことさえあります。

トラウマを経験したほとんどの人が、「あれはたいしたことではなかった!私は強いから大丈夫だ」と言うのです。そのように過小評価することもPTSDの症状のひとつです。

トラウマを経験した人は、そうではない人よりもストレスに対して過敏であるという研究結果もあります。
トラウマを経験すると次のような状態に陥りやすくなります。

・ 他の人にとって何でもないことが、本人には重大なことに感じられる。

・ パニックや激しい怒り、恐れなど、肉体的、精神的に強い反応を示す。

・ 脳内喚起システムが常に厳重警戒レベルにセットされている。

さらに、ネガティブ思考は、あなたの体内警告システム(直感)の働きを妨げます。私たちは危険を察知して、それを回避する生まれつきの能力があります。ですから、あなたが危険を察知しようとしても、直感を使わなければ、知らず知らずにトラウマを経験し続けることになるでしょう。直感は、あなたが危険から回避できるように警告を発するのです。

幸いにも、私たちはPTSDの症状を癒すことができます。その方法は、自然で健全です。
実際に私も個人的にこの『ドラマ・デトックス』に書かれているヒーリングを試してみて、大変効果がありました!

「Doreen Virtue | official Angel Therapy Web site」2015年8月31日掲載のブログ より

この記事の著者
著者:ドリーン・バーチュー

ドリーン・バーチュー

エンジェルオラクルカードシリーズの著者。カウンセリング心理学博士であり、50タイトル以上の著書とオラクルカードの制作に携わり、“エンジェル・レディ”というニックネームで知られています。オンラインで受講するセミナーやワークショップの他、世界各国でライブワークショップも多数開催の実績を持ちます。
現在は信仰上の理由により活動を制限していますが、過去に執筆した多数の名作が、現在も多くの人々の心の支えとなっています。